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日本語教師3.0

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

学生を日本のマンゴーの値段でビビらせつつ、「~と思います」を導入してみた

 こんばんは。日本語教師ブロガーのNicky(JPT407)です。

 今日の授業は、『みんなの日本語』第21課の「~と思います」と、「~と言いました」を教えました。

 

 

 「~と思います」は、推量と意見の二つの用法に分かれるのですが、まず推量の用法で、次のような写真を準備しました。

 

「~と思います」(推量)の導入

 まず、学生に「日本の果物は高いですね」と共感を求めます。学生は「高いです」と返してくるので、この写真を見せます。

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 そして、「マンゴー」という単語を語彙導入します。中国にもマンゴーはあるので、というより、そもそも「マンゴー」自体中国語(芒果)からの外来語(中国語の発音は「マングォ」)で、学生は全員マンゴーという果物は知っているので、写真を見ればすぐわかります。黒板に「マンゴー」と板書するだけです。

 値段はわざと付箋で隠してあります。ちなみに、今回は隠す面積が小さいので、付箋を使いましたが、もっと大きい場合は自作の「めくりフリップ」を使います。

jpt407.hateblo.jp

  そして、学生に「このマンゴーはいくらですか」と質問します。学生は、「○○円です」と答えようとしますが、「いくらですか。わかりませんね。『○○円です』はダメです。」と答えを封じます

 

 「言いたいのに、言えない!」という気持ちを煽っておいてから、「○○円だと思います」と、「と思います」を導入します。すると、「〇〇円だと思います!」という答えが出るようになります。数人に聞いたのですが、800円から3000円でした。

 導入って、「言いたいことがあるのに言えない!でも今日の文型を使えば使えるようになりますよ」というやり方が、単純ですが効果があるように思います。

 

 そこで、おもむろに付箋をピッと剥がします。

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 学生からどよめきが上がります。「怖い~」という声もたくさん出ました。こういう風に、印象に残る導入をしていけば、文型も学生の記憶に残りやすいんじゃないかと思います。

 以前、別の先生の授業を見学して覚えたテクニックですが、こういうクイズ形式の導入は、学生が興味を持ってくれて、いいですね。 

 

 ただ、一つだけ欠点があって、本当は「このマンゴーはいくらですか」は日本語としておかしいんですよね。自分は答えを知っているので、「いくらでしょう?」にならないと変です。ただ、「でしょう?」は教えていないので(たまたまこの課で「でしょう」も出ますが、別の用法です)、あえて無視です。

 

「~と思います」(推量)の練習

 それから、一つ前の教え方の手引きだったか何かに、「男か女かわからない人の写真を見せて、男か女か質問する」という方法があったので、これも練習で試してみました。

 この人は、中国で有名な「伪娘」(男の娘)だそうです。

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 ただまあ、有名すぎて、出した瞬間にみんな口をそろえて「男です」と言ったので、練習になりませんでした(笑)。

 余談ですが、学生の中から「男の娘」という単語が出てきたのには驚きました。いろいろ難しい単語も知っていますね。

 

 それからこれ!

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 これは完全にギャグです。昔、チャウ・シンチー(周星驰)の映画に必ず出てきて、中国人ならだれでも知っているはずの有名人、「如花」です。みんな声を揃えて「男です!」と言うので、「わかりません!」と返しておきました(笑)

 

 ちなみに、これらの写真はすべてラミネートして、黒板に貼れるようにしてあります。何度も使いまわせて便利です。 

jpt407.hateblo.jp

 

「~と思います」(意見)の導入

 それから、「~と思います」(意見)の用法では、「どのマンガがいちばんおもしろいですか」を質問しました。

 初級ですが、やはり好きなマンガの名前はよく知っていますね。「ワンピースがいちばんおもしろいです」、「銀魂がいちばんおもしろいです」、「ドラゴンボールがいちばんおもしろいです」という3人を取り上げて、「○○さん:わたしはワンピースがいちばんおもしろいと思います」を板書、「いちばんおもしろいマンガはみんな違いますね。『と思います』を使います」という感じで導入しました。

 

「~と言いました」の導入

 「~と言いました」でも、クラス全員が中国人だということに合わせた導入をしました。まず黒板にこれを貼ります。

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 孔子です。「この人は誰ですか」という質問に、さすがにほとんどの人が答えられました。一人だけ「李白」と答えていましたが(笑)。

 

 それから、文字カードを出して、「学而习之,不亦说乎」(学びてときにこれを習う、また楽しからずや)を読ませます。学生は、日本語の授業なのになぜ中国語が出てくるのか興味津々です。

 「『学而习之,不亦说乎』は日本語で何ですか。『勉強はおもしろいです』です」と言って、孔子の絵カードの隣に大きい吹き出しを板書して、その中に「勉強はおもしろいです」を書きます。

 それから、「孔子は勉強はおもしろいと言いました」を導入します。学生からは「え~」という不満の声や、「友達がいません」という声が出ましたが、無視しました(笑)。

 

 『みんなの日本語』では、キング牧師やアインシュタインなどの世界的な有名人が使われていますが、もし学習者がクラス全員同じ国籍だったら、その国でだけ有名な人を使ってもいいと思います。むしろ、そのほうがいいんじゃないかと思います。

 昔、ボランティアでタイ人の若い女の子に『みんなの日本語』で教えていて、「ビートルズは誰ですか」と言われました。びっくりしましたが、それはしょうがないことですね。今の若い子だったら、ビートルズよりジャスティンビーバーや、レディガガを出したほうが分かりやすいと思います。

 

 そんな感じで、今日は非常に楽しい授業でした。

 

 ではまた!