日本語教師3.0

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

この春から教壇に立つ先生に覚えておいてほしいこと9つ

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 こんばんは。日本語教師ブロガーのNicky(@JPT407)です。

 

 最近、Twitter上で、デビューする新人日本語教師の不安でいっぱいのツイートをよく見ます。なので、私なりのアドバイスをちょっと書いてみます。

 私も、本格的に日本語教師を始めてから2年目なので、あまり大きなことは言えないんですが、よければ参考にしてください。

 なお、取り急ぎ書いているので、後で追加するかもしれません。

 1.緊張しているのは先生だけじゃない

 まず言いたいことはこれですね。先生も緊張しているんですが、学生も緊張しています。新しい先生はどんな人かな、と緊張しています。留学生なら、新しい国、新しい生活なので、なおさらです。だから、最初はみんな固いです。あまり反応してくれません。それは普通です。先生の責任ではありません。

 でも、先生が緊張していたら、その緊張は学生にも伝染します。だから、先生はあまり緊張しないほうがいいです。

 

2.もし緊張してしまったら

 それでも、緊張してしまいます。それはしょうがないです。ただ、緊張しても、その緊張が授業に悪影響を及ぼすことは避けなければなりません。

 緊張するとどうなるか?まず学生の顔が見られなくなります。教案を進めることだけに集中して、自分の世界に入ってしまいます。学生の反応が見えなくなります。これはよくないです。緊張した時こそ、まず顔を上げて、学生の顔を見ましょう

 そして、緊張すると、声が小さく、早口になります。これもよくないです。学生にとって、わかりにくくなります。緊張した時こそ、意識してゆっくり、大きい声で話すことを心がけます

 

3.緊張しても大丈夫なように準備をする

 結局、緊張は避けられないものです。だったら、緊張していても、最低限の授業はできるように、事前に準備しておきます。緊張で頭が真っ白になっても、教案どおりにやれば最低限の授業はできるように、教案はしっかり作っておきます。教案がいい加減だと、頭が真っ白になったとき、本当に何をしていいかわからなくなります。

 そして、事前にリハーサルをするというのも、いい手です。とにかく、緊張しても授業は進むようにしておくことです。

 

4.失敗してもいい

 無責任なようですが、失敗してもいいと考えたほうが、気が楽になって、いい授業ができます。ずっと「失敗してはいけない」と緊張していたり、授業中の失敗がずっと気になって、そのあとの授業がうまくいかなくなるより、「失敗してもともと」と開き直ったほうがいいでしょう?

 そして、「失敗してもいい」というのには、二つ理由があります。

 まず一つ目。実際の授業には、たっぷり時間があります。たぶん、新人は養成講座で、何分、もしくは何十分という実習しかやったことがありません。だから、実習で失敗して時間切れになって、失敗を取り戻すことができなかった、という経験がきっとあると思います。でも、実際の授業は4時間です。失敗しても、取り返せます。極端に言えば、一回の授業で失敗しても、次の授業でまた取り戻せばいいんです。

 二つ目。失敗したほうが雰囲気が和みます。分刻みでコントロールされて、サクサク進む授業って、理想のようですが、実はつまらないと思います。ときどき脱線して、ワーッと騒げたほうがいいと思うんですね。もしベテランだったら、それも計算のうちだと思うんですよ。教案の中に、ここで笑いを取るとか、グループワークで盛り上がるとか、きっと計算して入れていると思います。でも、新人は、教えるだけで手いっぱいです。授業でも、教案通りに進めることで精いっぱいです。そういう授業って、実は学生をずっと急かせているようで、緊張の連続でつまらないです。そこで、先生が何か失敗すると、そこで学生もほっと一息をつくことができます。だから、実は失敗するのも悪いことばかりじゃないと思います。もちろん、失敗の連続で、授業がまともに進まなくなるのはよくないですけど(笑)。

 

5.学生は味方だ

 最初は、学生がとても怖く、冷たく見えると思います。学生が審査員のように、自分を評価しているんじゃないかと思います。たしかに、そういう学生もいないことはないと思うんですが、実際は、ほとんどの学生はいい人ですよ。

 とにかく、学生との距離を縮めることだと思います。もし、学生と親しくなっていれば、多少授業で失敗しても、学生がカバーしてくれます。たとえば、授業が予定より早く終わってしまい、することがなくなったとき。もし、学生と信頼関係を築けていなかったら、何をしていいかわからなくなって、冷たい空気が流れます(笑)。しかし、自由にものを言える雰囲気ができていたら、よく話す学生が自主的にしゃべってくれたり、ゲームをしたり、なんとなくカバーすることができます。

 どうやって学生との距離を縮めるかですが、まず、最初に名前と顔を覚えることです。そして、授業では必ず名前を呼んで、顔を見て話します。基本ですが、大事です。そして、自分から情報を公開します。自分がどんな人で、何が好きか、などなど。もちろん、学生の情報を把握するのが大事なんですが、自分の情報を公開しないのに、学生の情報ばかり聞いていると、まるで警察の取り調べみたいになってしまい、学生も話してくれません(笑)。情報を得たいなら、まず自分から公開することです。

 

6.先生が疲れるのは悪い授業

 先生が疲れるのは、先生が一生懸命話していたり、動いているからです。それは、実はあまりよくないです。理想の授業は、先生があまりしゃべらず、学生がたくさんしゃべって、動く授業です。先生は傍でみているだけです。それじゃ手抜きだと思われるかもしれませんが、違います。先生は授業の前に、学生が話したくなる仕掛けを作ることに全力を注ぎます

 あと、これは去年の途中から発見したんですが、文字通り学生を「動かす」ってすごく大事です。具体的に言うと、学生に板書してもらいます。テストの答え合わせとか、以前は学生に言わせて、自分で書いていたんですが、途中から学生に書いてもらうことにしました。自分が楽なだけでなく、学生もそのほうが断然楽しそうです。どんなにまじめな学生でも、50分ずっと座って講義を聞いているのは苦痛なんですね。

 それと、私も以前誤解していたんですが、「教える」だけでなく、「教えられる」ことも教師の仕事ですね。たとえば、「日本ではこうです」と教えるだけではなく、「あなたの国ではどうなの?」と教えてもらうことは、同時に学生の日本語の練習です。

 

7.やった仕事は残す

 先生はみんな、最初は死ぬような思いをすると思います。でも、だんだん楽になります。それは、過去の自分が、今の自分を助けてくれるからです。

 自分をいちばん助けてくれるのは、他の誰でもなく、過去の自分です。ネットで拾った教案とか、同僚の教師とか、いろいろリソースはありますが、環境や人が違うので、100%使えるわけではありません。その点、過去に自分が作った教案や教具は、使い方もわかっているし、ほぼ100%活用できます。

 だから、授業を繰り返せば繰り返すほど、仕事は楽になります

 ただ、一つだけ条件があります。それは、「やった仕事を残しておくこと」です。作った教案や教具、何でもいいですが、仕事で使ったものは全部残しておかなければなりません。理想は、デジタルデータで作って、新しい仕事をするときにも、部分的にコピー&ペーストできるようにしておくことです。

 できれば、手に入った他の先生の教案やテストも残しておきます。

 ただ、紙を残しておくと、ものすごい量がたまって、自分でもどこに何があるかわからなくなるので、できることならスキャンしてデジタルデータ化することをお勧めします。

 

最速の仕事術はプログラマーが知っている

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  詳しくは、この本の中に「DRY(Don't Repeat Yourself)」の原則として紹介されています。

8.できるだけ、PDCAを回す

 PDCAというのは、Plan、Do、Check、Actionの頭文字をとったものです。要するに、計画して、やったら、後で振り返って、改善して、それを次やるときに生かしましょう、ということです。

 これは私の去年の一番の反省点です。新人はみんなそうかもしれませんが、PDCAではなく、PPDPになっていました(笑)。つまり、教案→教案→授業→教案ということです。ただ、これでは振り返りと改善がないので、進歩しません。今年はちゃんとPDCAを回します

 最初は大変なので、CとAは大変かもしれませんが、あとからでもいいのでCとAができるように、授業の記録だけは残しておいたほうがいいと思います。授業で何ができなかったとか、ここで質問が出たとか、書き残しておきます。私は、以前は授業で使った教案は捨ててしまっていたのですが、今期は授業の中で気づいたことや、出た質問、実際にかかった時間などを書き込みして、残しておくことにしました。

 

鬼速PDCA

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  最近読んだ本2冊。

 

9.体に気をつける

 これも、すごく大事です。最初のころは、寝る暇やご飯を食べる暇もないと思いますが、体は大切にしなければなりません。自分のためでもあるし、学生のためでもあります。

 無理して教案を完璧に仕上げても、自分自身が疲れ切っていたら、いい授業はできません。それなら、教案の詰めが甘くても、自分にエネルギーを残しておいたほうがいいと、去年の途中で気がつきました。

 それに、実はギチギチに設計した教案より、遊びを残した教案のほうが、むしろいい気がします。3とちょっと矛盾しますが。具体的に言うと、導入の例文は、三つのうち一つはわざと質問だけ考えて、自分では作りません。そして、「こんな時どう言う?」と問いかけて、学生に例文を作らせます。全部自分で作った例文を一方的に説明するより、そちらのほうが断然いいです。

 

 とりあえず思いつくのはこんなところです。

 よかったら参考にしてください。では、また!