ブログは日本語教師の歩く鏡である

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

「新人お断り」という日本語学校の採用方針が、日本語教師全体の待遇を悪化させている可能性について

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 日本語教師の求人を見ていると、「経験者限定」という条件をときどき見かけます。

こういう経験者しか雇わないというの全く理解できない。経験はどこか他所で積んでこい、ということ?" 1.下記のいずれか一つに該当し、かつ講師経験が6ヶ月以上ある方 "日本語教師・職員求人情報: 〇〇〇日本語学校

 (これもツイートですが、実名なのでこれだけ伏字にします。)

 

 こういうのを見ると、「経験者しか働けないなら、そもそも新人はどこからキャリアを積めばいいんだ」と思っていたんですが、これは単に新人の選択肢を減らすだけではなく、日本語教師全体の待遇に悪い影響を与えている可能性に気がつきました。

 

 つまり、全くの新人は、まず大手や伝統のある学校に職を求めますが、断られます。すると、キャリアを始めるために、どんな学校でも行かざるを得なくなり、どんな悪条件でも飲まざるを得なくなります。そして、その足元を見透かした別のブラック日本語学校が、最低賃金ギリギリの悪条件を提示する、というわけです。

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 しかも、ブラック日本語学校ほど、募集が頻繁に出ています。なぜなら、教師の「回転率」がいいからです。教師がコロコロ辞めて、コロコロ入ってきます。。逆に言えば、いい学校ほど、今いる教師が辞めないので、募集が出ることは少ないはずです。

jpt407.hateblo.jp

 

 キャリアを積むという観点から見れば、待遇が悪いなどの問題は比較的些細なことですが、学生の質は何よりも重要です。もし、学生全員が出稼ぎ労働者で、授業の最初から最後まで寝ているか、遊んでいるかしている学校では、キャリアを積むどころではありません。教師とは、まず授業をしてみて、学生の反応を見て反省し、成長していくわけですが、学生の反応がなければ、成長もありません。学生が全員寝てたら、自分の授業がいいか悪いかなんてわからないんですよ!(実体験) そんな学校に何年いたとしても、他の学校はキャリアとして見てくれないでしょう。 

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 今、日本語教師不足だと言われていますが、本当に日本語を学びたい留学生が増えているわけではありません。増えているのは、留学生のふりをした出稼ぎ労働者で、しかも新人教師はそのような学校に当たる確率が高いのです(私もそうでした)。

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 では、とりあえず海外へ行けばいいのか?それも違います。

 

 結局、新人教師にとっては、左を見ても右を見ても、絶望しかないわけです。

 

 しかも、恐ろしいのは、おそらくこの状況が、日本語教師全体に影響しているだろう、ということです。というのは、一つ目に、そもそもスタートの時給が低く抑えられることで、その後の時給も比較抑えられる、ということです。二つ目に、ブラック校が最低賃金ギリギリの時給を出していたら、他の学校はそれに引きずられるだろう、ということです。たとえ財布に100万円入っていても、1000円で買えるものに2000円は出さない、という名言があります。

 

 「新人お断り」の学校にとっては、モノにならないかもしれない新人を採用するリスクは避けられる、新人研修のコストは削減できる、他の学校ですでに低賃金に慣れた教師を採用できる、といいことずくめですね!

 

 

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 ただ、その中でも、全く希望がないわけではありません。新人でも常勤で雇ってくれて、きちんと新人研修をしてくれる学校もあります

 

 今、日本語教師を始めようとしている人に伝えたいこと。

 

 この業界、暗い話も多いですが、希望もあります。私も海外から帰ってきて、最初に勤めた日本語学校では、絶望ばかりでした。しかし、今は別の日本語学校で、幸せです。制度もしっかりしているし、何より、教育に打ち込める環境が揃っています。毎日授業を考えるのが本当に楽しいです。

 そういう学校もありますから、絶望しないで、コツコツ探してください。

 

 そして、いっしょに、日本語教育の未来について、考えませんか?