ブログは日本語教師の歩く鏡である

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

私は「教えない授業」を目指しています

 こんばんは。日本語教師ブロガーのNicky(@jpt407)です。

 

 

はじめに

 昨日、こんな記事を書いたのですが、忘れていた部分があるので、補足します。

jpt407.hateblo.jp

 

 アクティブ・ラーニングの定義の中に、「主体的」というのがあるんですが、その「主体的」に関する話です。

 アクティブ・ラーニングとは、課題の発見・解決に向けた主体的、協働的・創造的な学びであり、習得・活用・探求という学習プロセスに沿って自らの考えを広げ深める対話を通して、多様な汎用的能力を育てる学習方法である。

 

 主体的というのは、「先生が教えるのではなく、学生が自ら学ぶ」ということです。いろいろな分野に当てはまると思うんですが、まず「文法を教えるかどうか」に絞って話をしたいと思います。

 

文法を「教えない授業」

 私は、「半間接法」を使って、できるだけ「教えない授業」を目指しています。

 

 こう言うと、「いや、それはおかしい。そもそも、『文法を教えない』というのは、直接法の時代からずっと理想とされていた」とおっしゃるベテランの先生がいらっしゃると思います。

 確かにそうです。従来の授業でも、「わざわざ文法を説明しなくても、導入がよければ、学生は自然にその中に含まれる文法項目に気がつく」とされていました。私も、ベテランの先生からそう言われたことがあります。

 しかし、現実がそんなに甘いものではないと、実際に教壇に立った新人の先生はわかっていると思います。前の記事にも書きましたが、それができるからこそ、「マジシャン」と呼ばれるわけです。

storys.jp

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 もちろん、勘のいい学生とか、予習している学生とか、説明を聞かなくても導入を見ただけでわかる学生もいます。ただ、どうしても一部分、取り残される学生もいます。だから説明が必要なわけですが、日本語で説明した後も、まだわからない学生がいます。

 

 では、どうするのか?もちろん、「話し合ってください」と言うことは簡単です。ただ、初級の学生では、話し合いたくても、日本語ではまだそこまでのレベルに達していません。そこで、シーンとなってしまいます。

 それを防ぐための、半間接法です。母語も禁止せずに、学生に話し合わせて、出てきた結論を教師が板書します

 もちろん、中級以降は日本語で話し合わせます。

 

 実は、この「教えない授業」は、私が考えたものではありません。アクティブ・ラーニング、特に両国高校の英語の先生方の著書に影響を受けています。

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか

 
テキスト不要の英語勉強法 「使える英語」を身につけた人がやっていること

テキスト不要の英語勉強法 「使える英語」を身につけた人がやっていること

 

「知識はあるのに話せない」を抜け出す方法

授業で話すときには、教師も生徒も基本的に英語だけ。
予習の必要がなく、辞書はなるべく引かず、全文和訳はなし、英文法解説もなし。
教科書を使わないときも多く、教師はできるだけ教えない……。

なのに、教えた生徒は
「ALTと英語で雑談」
「GTECのスピーキングテスト満点」
「大学進学後、クラスメイトにネイティブ講師との通訳を頼まれる」。

さらには、2013年度に国公立大学進学率で都立高1位になるなど、入試でも結果を残しています。

 

『テキスト不要の英語勉強法』

 

 実際の授業は、ここで少し見られます。

find-activelearning.com

 

 アクティブ・ラーニング系の本をいろいろ読んでみたのですが、「外国語を教える」という共通点において、日本語教師にとっては、国語よりむしろ英語の先生の本が役に立つと思われます。考えてみれば当たり前のことなんですが、国語の授業は小学校の低学年でさえ、日本語学校の中級以上のことをやっているので、初級の参考にはできません。英語だと、中学校が日本語学校の初級、高校が中上級、というところでしょうか。

 

文法以外でも「教えない授業」

 さっき、「文法を教えない」と言いましたが、そのほかでも、できるだけ教師の発言や、ドリルを減らして、現実のコミュニケーションに近い練習を増やしたいと思っています。そして、教師が教えるのではなく、学生どうしで話し合いながら、何かを発見したり、知識を増やしたりする授業にしたいと思っています。もちろん、学校で決められたことは全てやるという前提のもとにですが。

 そのために、アクティブ・ラーニング系の英語の本などをいろいろ読んでいます。

「教えない授業」から生まれた 英語教科書 魔法のレシピ

「教えない授業」から生まれた 英語教科書 魔法のレシピ

 
使えるフレーズ満載!  All Englishでできるアクティブ・ラーニングの英語授業

使えるフレーズ満載! All Englishでできるアクティブ・ラーニングの英語授業

 

 もちろん、既にある日本語教育のアクティビティの本を参考にしてもいいのですが、あれは「特定のこの文型を練習させるためのアクティビティ」に特化しているものが多いと思うんですね。もちろん、それはそれで便利なんですが、それだけでもいかんなあ、と思うわけです。 

 

 狙いは、「テストで点が取れるだけではなく、実際に日本語のコミュニケーション能力を持った学生を育てること」です。

 ちょうどこないだ、能力試験の結果の発表があって、Twitterでも何人かの先生が、「なぜ会話も成立しない学生が合格するの?」みたいな発言をされていました。その原因は、もしカンニングでないなら、試験で測られる能力と、コミュニケーション能力にズレがあった、ということだと思います。私も同じ経験があるんですが、それはよくないと思います。

 

 『みんなの日本語 初級』のような文型シラバスの教科書に沿って教えた場合、授業はどうしても文型を積み上げていく形になってしまいます。教科書に出てくる文型をその順番で教え、そこに出てくる練習問題も教室ですべてしなくてはいけないと考えていないでしょうか。それを続けていくと「文型だけは山のように勉強したけど、実際に話したくても、どの文型を使えばいいかわからない」といった文型とそれを使う場面が結びつかない結果となってしまいます。

日本語教師のためのCEFR

日本語教師のためのCEFR

 

 

jpt407.hateblo.jp

 

本当に「教えない授業」でいいのか?

 ただ、もちろん不安もあります。最大の不安は、もちろん「成績が落ちないか」ということです。両国高校の英語の先生方は、「成績は伸びる」と断言されていますけれども、私にはどうもそうは思えません。特に、日本語能力試験は、リーディングとリスニングだけで、コミュニケーション能力は関係なく、しかも知識の量が問われるので、アクティブラーニング型授業とは相性が悪いと思うのです。

 

 最近も、参考にさせていただいている国語の先生のブログに、気になることが書いてありました。

「入試」や「テスト」の学力についてはAL型の授業は旗色は悪い。もし、AL型の授業で成績が上がるなら、AL型の授業に加えて従来型のテストに対応できるようなテクニックを教えていることが前提だ。

生徒に委ねて成績はどうなるか - ならずものになろう

  やっぱりそうですよね・・・。

 

 だから、今は自分のクラスと隣のクラスのテストの成績を見比べながら、試行錯誤の最中です。もし、隣のクラスより明らかに悪ければ、従来型の授業に戻していこうと思っています。幸い、今のところ大丈夫そうですが・・・。

 それに、いろいろ書いていますが、私自身、まだアクティブ・ラーニングについてもあまりよくわかっていません・・・。

 

終わりに

  いろいろ書きましたが、私もまだよくわかっていません。頑張ります。

 では、また!

 

 2017/09/18追加

この本も役に立つと思います。

 

jpt407.hateblo.jp