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『みんなの日本語』を教えるためのマニュアル本と文法書、教案サイトまとめ

 昨日、教授法についての記事を書いたんですが、おそらく、大部分の日本語教師は、「新しい教授法に興味はあるけれど、それよりとにかく目の前の仕事を片付けなければならない」と思っていると思います。私も全く同じ考え方です。

 

 そこで、おそらくいちばんユーザーが多い教科書であろう『みんなの日本語』を教えるためのマニュアル本と文法書、そして教案サイトを紹介しておきます。

目次

 

マニュアル本

『教え方の手引き 第2版』

みんなの日本語初級I 第2版 教え方の手引き
 

 

みんなの日本語初級II 第2版 教え方の手引き
 

  公式のマニュアルです。とりあえず最優先にそろえなければならないのは、これだと思います。当たり前ですが、公式のマニュアルなので、練習ABCなど、全て完璧に教科書に対応しています。

 実は、『みんなの日本語初級』は、初版と第2版があり、第2版の教え方の手引きは出たばかりです。もし教科書が第2版なら、迷わず第2版を買ったほうがいいと思いますが、初版の教科書を使っていても、手引きは第2版を買ったほうがいいと思います。改善点が多いからです。

 いちばん大きな改善点は、まず詳しくなったことです。そして、レイアウトも見やすくなりました。「進出語彙 導入の留意点」が追加されたのもありがたいです。「どういう場面でその文型を使うのか」という場面設定も詳しくなりました。「文型を覚えても、いつ使っていいかわからない」というのが『みん日』の欠点だったので、その欠点が少しは改善されていると思います。CD-ROMがついていて、その中にいろいろなデータが入っているのもありがたいです。特に、「練習C・会話イラストシート」は、印刷すると「絵を見せて会話を言わせる」という練習に使えて便利です。

 ただ、なぜこのご時世に、ダウンロードリンクじゃなくて、CD-ROMだったのでしょう?『まるごと』のようにダウンロードリンクを記載するだけなら、CD-ROMをなくしたり、割ったりしても安心です。

 

 ただ、もちろん欠点もあります。最大の欠点は、導入や練習の例が少なすぎることです。おそらく、予習している学生でなければ、これだけの導入で理解するのは難しいと思います。そして、導入が雑なのは、初版からあまり変わっていません。

nihonngokyoushi-naniwanikki.blog.jp

 この部分はあまり変わっていませんね。

 

 結局、便利は便利なんですが、教師がかなり導入をわかりやすくして、増やし、練習も増やしたほうがいいです。

 教案を作るための「たたき台」とするのにいいと思います。

 

『教え方の手引き 初版』

みんなの日本語初級1 教え方の手引き

みんなの日本語初級1 教え方の手引き

 

  

みんなの日本語初級〈2〉教え方の手引き

みんなの日本語初級〈2〉教え方の手引き

 

  これは、第2版があれば、あまりいらないと思います。

 

『日本語の教え方の秘訣』

日本語の教え方の秘訣―「新日本語の基礎1」のくわしい教案と教授法〈上〉

日本語の教え方の秘訣―「新日本語の基礎1」のくわしい教案と教授法〈上〉

 

 

日本語の教え方の秘訣―『新日本語の基礎1』のくわしい教案と教授法〈下〉

日本語の教え方の秘訣―『新日本語の基礎1』のくわしい教案と教授法〈下〉

 

 

続・日本語の教え方の秘訣〈上〉―『新日本語の基礎2』のくわしい教案と教授法

続・日本語の教え方の秘訣〈上〉―『新日本語の基礎2』のくわしい教案と教授法

 

 

続・日本語の教え方の秘訣〈下〉―『新日本語の基礎2』のくわしい教案と教授法
 

  『みんなの日本語』のもとになった『新日本語の基礎』のマニュアル本です。20年以上前に発行されているので、かなり古いです。私も個人では持っていません。詳しいという評判があるので、『教え方の手引き』で悩んだときは参照していますが、基本的には使っていません。海外ではまだ『新日本語の基礎』を現役で使っている学校もあるそうなので、そういうところで働いている教師の方は買ってもいいと思います。

 

『日本語の教え方ABC』

日本語の教え方ABC―「どうやって教える?」にお答えします

日本語の教え方ABC―「どうやって教える?」にお答えします

 

  これも古い本なんですが、よく参考にしています。もちろん、『みんなの日本語』完全対応ではないのですが、文法項目はだいたいカバーされています。導入に使うイラストが本の中に載っていて、拡大コピーすればそのまま使えます。

 

文法書

『初級を教える人のための日本語文法ハンドブック』

初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

初級を教える人のための日本語文法ハンドブック

 

  これはないとお話にならないくらい、大事な本です。個人でも揃えましょう。とにかく詳しいのに、わかりやすいという貴重な本です。わからないことがあったときは、だいたいこの本で調べています。

 ただ、教案を作るとき、書いてある文法項目を全部盛り込もうとすると、説明が難しくなったり、ポイントがボケてしまったりするので、情報を適当に取捨選択することが大事だと思います。

 学生を教えるときだけではなく、これから日本語教師になる人、特に検定試験を受ける人が、日本語文法を勉強したいという人にも役に立ちます。

 

 ちなみに、この本には中上級版もあります。

中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック

中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック

 

 

『なっとく知っとく初級文型50』

なっとく知っとく初級文型50―はじめて日本語を教える人のための

なっとく知っとく初級文型50―はじめて日本語を教える人のための

 

 

 実はこれ、今の学校で働き始めてからかなりしてから存在を知ったのですが、もっと早くに知っておきたかったです。この本のいいところは、似ている文型AとBのどこが違うかとか、この文型はいつ、どうやって使うのかとか、学生から出そうな質問を先取りして勉強できる点です。

 説明はそんなに難しくありません。

 

 『初級日本語文法と教え方のポイント』

初級日本語文法と教え方のポイント

初級日本語文法と教え方のポイント

 

  この本も、「学習者からよく出る質問」や、「よくある誤用の例」などがあって、とても実用的です。難易度は、上の2冊の中間くらいだと思います。

 

クラス活動

『おたすけタスク』 

おたすけタスク初級日本語クラスのための文型別タスク集

おたすけタスク初級日本語クラスのための文型別タスク集

 

  クラス活動の本はいろいろあるので、本屋へ行って自分がいちばんいいと思ったものを買えばいいと思います。

 

 これらの本は、だんだんとでいいので、自分でも揃えていったほうがいいと思います。もちろん、日本語学校にも揃えてあると思いますが、家にもないと仕事になりません。

 もちろん、金銭的にかなりの負担になるのですが、私はこういう本は「金で買える実力」だと思っています。こういう言い方は汚いですが、事実です。

 特に、文法書は買ったほうがいいです。自分でうんうん考えてもわからない問題が、文法書を見れば一瞬で解決したりします。マニュアル本は、もちろん買ってそのレベルで満足していてはだめですが、少なくともずぶの素人が考えるよりレベルが高いのは言うまでもありません。自分で0から考えるより、まずマニュアルを見て、さらにそれをどう改善していくか考えたほうが効率的だと思います。

 

教案サイト

日本語教師のN2et

日本語教師のN2et

 説明の必要がないくらい、超有名な教案サイトだと思います。『みんなの日本語』の教案は1課から50課まで全部揃っています。

 教案も詳しく、現役教師ならではの鋭い指摘もあります。教案以外の記事もおもしろいです。いちばんのおすすめです。

 

日本語教師の教案

kyoan.u-biq.org

 ここも、『みんなの日本語』の教案が全部揃っています。ただ、上のサイトほど詳しくないです。

 

日本語教育『教案の広場』「みんなの日本語」版

日本語教育『教案の広場』「みんなの日本語」版

 ここは詳しくていいんですが、残念なことに、未完成です。28課までで更新が止まっています。

 

 

 私が知っている情報はこれくらいです。参考にしてください。

 本当は私も教案サイトを作りたいのですが、作るほどの自信はありません。

 

 本当は、以下のような教案の書き方や、教え方の本も紹介したかったのですが、そこまで紹介すると多すぎるので、とりあえず今日は最低限の本だけ紹介しておきます。

 

教案の作り方編 (日本語教師の7つ道具シリーズ+(プラス))

教案の作り方編 (日本語教師の7つ道具シリーズ+(プラス))

 

  

初級を教える (国際交流基金日本語教授法シリーズ 9)

初級を教える (国際交流基金日本語教授法シリーズ 9)

 

 

 よければ、過去の記事も参考にしてください。 

jpt407.hateblo.jp

 

jpt407.hateblo.jp

 

 それでは、お互い頑張りましょう!