日本語教師3.0

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

日本語教師は外国語もできたほうがいいの?

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 こんばんは。日本語教師ブロガーのNicky(@JPT407)です。写真は本人ではありません。

 

 今日、Twitterであひる先生(@ahiru5963)の、「日本語教師も外国語を勉強したほうがいい」というツイートに対し、多くの人が反応していたので、私も自分の考えを書いてみようと思います。

 

 

Twitter上のみんなの意見

賛成意見

1.自分が外国語を習得していない日本語教師には、説得力がない

2.学習者の気持ちがわかるようになる

反対意見

1.外国語を学習したからといって、日本語の授業の質の向上とは関係ない

 

 私の意見を述べる前に、私のバックグラウンドを少しだけ説明しておきます。

私のバックグラウンド

・海外で10年くらい教えていました。

・外国語は通訳ができるレベルです

・海外にいたころは間接法、今勤務している日本語学校では、直接法で教えています

 

 私の意見

1.外国語を習得していない日本語教師には、説得力がないのか?

  正直、私も今の学校に入る前は、「外国語の一つもできない日本語教師なんて・・・」と思っていました。しかし、今の学校に入ってから、考えが変わりました。外国語ができなくても(できないふりをしているだけかもしれませんが)、すごい先生はいます。そして、学生の側も、「先生が外国語ができるかどうか」はそんなに気にしていないようです。結局、学生の見る目はシビアで、要は「自分に役立つ日本語指導をしてくれるかどうか」がいちばん大事だと思っているようです。もちろん、できるに越したことはないと思いますが。

 おもしろいことに、「自分でできるかどうか」が説得力の基準になるかどうかは、職業によって全く違います

 たとえば、プロスポーツの場合、監督やコーチはほとんどが元選手です。プロ野球の監督は、ほとんどが元名選手です。ましてや、プロ野球選手でなかった人はいません。プロスポーツの監督やコーチは、能力以外に個人的な経験が非常に重視されます

 しかし、医者という職業はどうでしょうか?もし、「子どもを産んだことがない人は産婦人科になれない」のであれば、そもそも男性の産婦人科医は存在しません。「がんにかかったことがある人しかがん専門医になれない」のであれば、それもまた難しいでしょう。医者に求められているのは専門的な知識と技術であり、個人的な経験ではありません

 どちらが正しいとは言えませんが、世の中には全く違った考え方が共存するということは興味深いと思います。語学教師はどちらに近いんでしょうか?

 

2.教師が外国語を学習することで、学習者の気持ちが理解できるようになるのか?

  これは確実にあると思います。教師というのはどうしても上の立場になるので、特に相手の気持ちを忘れがちです。教師をしていると、どうしても「どうしてこんなこともできないの?」と言ってしまいそうになりますが、自分が学習者になってみることで、相手の立場に立って考えられるようになると思います。

 ただ、一つだけ注意。教師が語学が好きでたまらない場合には、たとえ外国語を学習しても、やはり語学が嫌いな人の気持ちはわかりにくいんじゃないかと思います。

 

3.外国語を勉強しても、日本語指導の質には関係ないのか?

 ないことはないと思います。特に、学生の母語を理解していると、教えるときにとても有利になります。母語の影響と言いますが、学生の母語を知っていると、学生がどこで間違うか、ある程度先に予測できます。また、母語と日本語を比較して、ここは違うとか、ここは母語にはない概念だから丁寧に教えたほうがいいとか、わかるようになります。

 ただ、これも程度問題で、ある母語の人を長く教えていると、たとえその言語が分からなくても、「この母語の人はここで間違える」というのが経験からわかるようになります。

 

結論

1.やるに越したことはない

 説得力という点でも、学習者の気持ちを理解できるという点でも、教師が外国語をやるに越したことはないと思います。

 

2.能力より態度

 ただ、できるかどうかはあまり問題ではないと思います。「名選手、名監督にあらず」と言うように、自身の語学センスと、教えるセンスは必ずしも一致しないと思います。もちろん、名選手が名監督になることも多いのですが。

 

3.外国語ができない人でも、日本語教師になっていい

 たとえ今外国語ができなくても、日本語教師になるのは全く問題ないと思います。ただ、日本語教師になった後でもいいから、他の外国語を勉強しようという気持ちがあるかどうか、それがいちばん大事でしょう。

 

 今回の意見からは、「日本語は日本語だけで教えるべきか」という観点はあえて外しました。複雑になるので。

 もちろん、もし間接法で教えたほうがいいとなれば、外国語ができなければなりません。直接法と間接法のどちらがいいかという話題は、また改めてしたいと思います。

togetter.com

 

 最後に、同じテーマでブログを書かれたあひる先生と阿部先生(@jptwabe)のブログのリンクを貼っておきます。

sarajevo.hatenablog.com

tanoshikuoshieru.blogspot.jp

tanoshikuoshieru.blogspot.jp

 

 では、また!