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「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

「穴なし穴埋め問題」という、便利で効果も高い斬新な問題形式

 こんにちは。日本語教師ブロガーのNicky(@jpt407)です。

 

 昨日、「英語テストづくり&指導アイデアBOOK」という本を紹介したんですが、この本には他にもいいアイデアがたくさん詰まっています。

jpt407.hateblo.jp

 

「穴なし穴埋め問題」の紹介

 今日は、そのうちの一つ、「穴なし穴埋め問題」をご紹介します。「穴なし穴埋め問題」って何かと思われるかもしれませんが、一見普通の文のように見えて、実はいくつか単語を抜いてある、という問題です。普通の穴埋め問題が、「穴を何で埋めるか」を考えるだけでいいのに対し、穴なし穴埋め問題は「どこに穴があるのか」から考えなければならないので、難易度が高くなります

 

(例)

本文 I usually get up 6:00 every day morning and leave home at 7:00.
問題 I usually up 6:00 every day morning and leave home at 7:00.
解答欄       (     )     
模範解答   usually  (  get  )   up  

 

  一文だけなので簡単そうですが、これを教科書の本文全部でやるわけです。かなり難しいです。 

 この本では、

 この問題例では、文法的に「あきらか」におかしくなるような部分を取り除く必要があります。

と書かれています。

「穴なし穴埋め問題」の実践

 私はこないだ、『みんなの日本語』第23課課末問題で初めて試してみました。

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 聖徳太子についての短文があったので、まず教科書の問題を解かせた後、「よく読んで、覚えてください」と指示を出しました。それから、自分で作った問題を配りました。

  本文全部使ったのですが、その一部を転載します。

(問題)

(前略)
そして、お寺を作ったり、本を書いた。
 聖徳太子が造った法隆寺は、奈良にあります。

 

 これを配った後、みんな頭をひねっていたんですが、一部の学生が、私にこれはおかしいと言ってきました。「先生、『たり』が一個しかありません。」

 

 それこそ、私が聞きたかった一言です!

 

  学生はよく「~たり~たりします」を、「~たり、~ます」と、後ろの「たりします」を忘れて書いてしまいます。その点が分かっているかどうか見たくて、一見自然に見えるように問題を作ってみたのですが、何人かはちゃんと見抜いてくれました。もちろん、正解は「( 書いた )(りしました)(  。 )」です。

 先に「覚えてください」と言いましたが、それは問題の難易度を下げるためで、本当は文法さえきちんと覚えていれば、初見でも解けるような問題だけにしてあります。

 

 また、「聖徳太子が造った法隆寺」、実はここもひっかけ問題になっています。と言うのは、中国語母語話者は、いつも母語の影響で名詞修飾に「の」を入れる間違いをよくするからです。この例で言えば、誰かが「聖徳太子が造った”の”法隆寺」という間違いをするんじゃないかと思いましたが、誰も引っかかりませんでした。えらい!

 これは、通常の穴埋め問題でも、本文に「聖徳太子が作った( )法隆寺」と書いておいて、問題は「ひらがなか×を書いてください」でもいいんですが、穴なし穴埋め問題のほうがスマートで、「もしかしたらここに何か入るんじゃないか」と引っかかってくれそうです。

 

「穴なし穴埋め問題」の利点

 この「穴なし穴埋め問題」の利点は、『英語テストづくり&アイデアBOOK』に次のように書かれています。

(1)教科書を徹底的に使いこなせるようになる!

(2)作成が楽!

(3)波及効果が高い!

 まだ一回しかやっていませんが、確かに便利で、効果も高そうです。なにしろ、単語を省くだけなので、作成が簡単です。そして、学生側はよっぽど文法が得意で、注意深く問題を読むか、本文を暗記しないと解けないくらい難問なので、こういう問題を出すとわかっていたら、ちゃんと勉強してくれると思います。

 しかも、初級、中級など、レベルを問わずに活用できそうです。

 これからガンガン使っていこうと思います。

 

 ほかにも、「生徒が夢中になる間違い探し」という問題形式もあって、これは『完全マスターN2文法』の授業にぴったりだなあと思っているんですが、まだ試していません。また試したら、ここで報告します。

 

  「穴なし穴埋め問題」は、この本でも紹介されているそうです。

 

 では、また!