読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日本語教師3.0

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

過去最高、異常なほどに盛り上がったクラス活動 「王様ゲーム」

 私の理想として、「学生に強制的に話させるのではなく、自発的に話したい状況に誘導したい」というものがあります。なかなか難しいんですが。

 

 通常、初級の4コマの授業にクラス活動を二つか三つ入れていて、成功したものも失敗したものもあるんですが、その中でも、最高に成功した例をご紹介したいと思います。

 まあ、成功したと言っても、ものすごく盛り上がっただけで、文型の定着にどこまで貢献したかは疑問なんですが。

 

 こないだ、『みんなの日本語』第48課、使役を教えました。使役のクラス活動は何にしようか?私はいつも、「本当に意味のある文」を作らせたいと思っています。しかし、学生が実生活の中で、「~させる」と言える場面がいつあるでしょうか?「親は私に~させました」とは言えますが、それだったら、「私は親に~させられました」のほうが自然です。

 私は考えました。使役が自然に出てくるシチュエーションとは何なのか?そこには上下関係がなければなりません。しかし、学生の現実の生活にはそんな上下関係はありません。ならば、架空の上下関係を作ればいいのではないか?

 そこで思いついたのが、「王様ゲーム」です。

 

 ルールは簡単です。

使役練習としての「王様ゲーム」

1.クラスを3つのグループに分けます。

2.グループの中でじゃんけんして、1位から最下位までを決めます。

3.1位は王様、最下位は奴隷になります。そして、ブービー(ビリから2番目)は「書記」になります。

4.王様は、奴隷に「~しろ!」と命令します。

5.奴隷は王様の命令を実行します。

6.書記は、「○○さん(王様役の学生の名前)は××さん(奴隷役の学生の名前)~させました」と言います。

7.グループ全員で、「○○さんは××さん~させました」という例文をコーラスします。

8.また1から繰り返します。

 

f:id:JPT407:20170313234311p:plain

 

 

 最初、やってみる前は不安でした。「学生が本当に乗ってきてくれるのだろうか。」「初級の語彙は少ないから、学生の命令も限られて、すぐ終わってしまうんじゃないだろうか。」

 しかし、全て杞憂でした。学生は大喜びでやってくれました。なんか、私の経験からいえば、学生って、こういう「クラスメートどうしで意地悪する」みたいなゲームが大好きですね(笑)。いじめじゃないんですが、こういう人に意地悪するときだけは一生懸命になります。

 そして、「語彙が少ない」というのも杞憂でした。学生は、知らない言葉があれば一生懸命電子辞書で調べて、どんどん新しい命令を作っていきました。おもしろいのでは、「○○さんは××さんに、先生に抱きつかせました」とか、「○○さんは××さんに、PPAPを踊らせました」などがありました。

 あまりにも盛り上がりすぎてうるさいので、途中で隣のクラスから苦情が来るんじゃないかと心配したほどです(笑)。私は完全に脇で見ているだけでした。

 こういうふうに、「学生にどうしても話したいことがあって、教師が何もしなくても、学生がどんどん自分で調べて話す」授業こそ、私の理想です。教師の仕事は、「どうやって学生を話したいという状況に仕向けるか」だと思います。

 ただ、こんなに成功したことは少ないし、学生が作る例文も間違いだらけで、あまりいい練習とは言えなかったかもしれませんが。

 

 またいいネタがあったら紹介したいと思います。

 では、また。