日本語教師3.0

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

なぜ、あなたの教案作りは終わらないのか

 昨日の「マクドナルド理論」で思い出したので、効率的な教案作りのコツを書いておきます。

 ただ、これを実行したからと言って、劇的に速くなるわけではありません。巷にはよく「定時に帰る○○仕事術」とかいう本がありますが、私は基本的に信じていません。他の仕事ならいざ知らず、1年目の日本語教師が定時に帰れたら、そのほうがおかしいでしょう。1年目はとにかく教案を書き溜める時期だと思っています。

 

 まず、私が以前やっていた、ダメな教案作成のパターンを書きます。初級でも中級でも使える考え方ですが、初級のほうが単純なので、初級、特に『みんなの日本語』を例にとります。

 

 『みんなの日本語』には、普通一課ごとに3つか4つくらい文型が入っています。私は以前、前の文型から順番に作っていました。一つ目の文型の教案をほぼ完ぺきに完成させてから、次の文型、それから3つ目の文型、という感じです。

 ただ、これだと、時間を無駄にします。なぜなら、0から80%までの完成度までは比較的スラスラ書けるのですが、80%の完成度を100%の完成度にしようとするとき、0%から80%と同じか、それ以上の時間がかかってしまうからです。

 そして、往々にして最後の文型の教案を書いているとき、締め切りが来てしまい、最後の文型の教案が全く不完全なまま、授業に臨まなければならない、という最悪の事態が起こりました。

 

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 このグラフを見てください。文型1は1週間前にほぼ完成していますが、他はまだ手を付けていません。

 3日前に文型2はある程度でき上っていますが、文型3は0のままです。

 当日、文型3は不完全なままに授業に臨まなければなりません。

 

 以前は、この最悪パターンを繰り返していました。

 そこで、考えを改めました。

 

 完成度が低くてもいいから、とりあえずまず全ての文型の教案を揃えてしまおう、と考えたのです。

 

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 もう本当に、ザックリとでいいので、まず教案全体のプロトタイプ(試作品)を作ってしまいます。すると、昨日書いたマクドナルド理論」が発動するのです!

 

 「マクドナルド理論」とは、「「実行可能な選択肢のうち最低のもの」を提案することによって、そのアイデアを実行しないために、人々はよいアイデアを出そうとするという理論」でした。ところが、これはたとえ一人でも使えるのです!

 まず、不完全でもいいから教案全体を書いてみると、「なんでこんなにクソなんだ!」と、どんどん一人ツッコミが入ります。そして、湧き上がるアイデアを適用していくと、一つ一つ文型を作っていた時より、はるかに速く教案が仕上がります

 

 ここで重要なことは、「まず何でもいいから最初の叩き台を出す」ということです。以前は完璧を求めて、「このアイデアは使い物にならない」と、アイデアを考えては捨て、考えては捨てていました。それでは、同時に一つの文型を考えることしかできません。

 しかし、まずすべての文型の教案のプロトタイプを作ってしまえば、3つなら3つ、4つなら4つの文型の教案を同時に考えることができます!1つ1つ順番に教案を作っていると、どうしても袋小路に入って煮詰まりがちなのですが、まず全体のプロトタイプを作れば、全体を俯瞰しながら、手の付けやすいところから順々に完成させていくことができます。

 

 だから、大事なことは、「まずいアイデアでも、捨てずにとりあえず書いてみる」ということだと思います。書き出せば、書き出した瞬間に批判的思考が働き、もっとよいものを提出しようとします。たとえもっといいアイデアがなくても、「例文の数が揃わないまま授業に臨んでしまう」という最悪の事態は防げます。

 

 というようなことを、去年実体験から学んだのですが、最近読んだ本にも、似たようなことが書いてあって、ほっとしました。

 

 プログラムに限らず、たいていの仕事の全体図は実際にやってみないと描けません。企画書という紙の上だけで考えても大体思った通りになることはないのです。みなさんもそういう経験がおありだと思います。

 ですからプロトタイプの作成に速やかに入り、ある程度まで作ったうえで、どのくらいの難易度かを考えつつ仕事を進めていくのが賢いやり方です。

 プロトタイプを作らずに愚直に細部を突き詰めていった場合、締め切り間際になって「ここは設計から作り直さなければならない」という事実に気づくことがあります。そうなると危険です。締め切り間際では、大枠の設計を変更する時間もないので、完成品はろくでもないものになります。

 (中略)

 仕事が遅くて終わらない人が陥る心理として、「評価されるのが怖い」というものがあります。自分の仕事がどう評価されるのかが怖くて、できるだけ自分の中の100点に近づけようとしてブラッシュアップを繰り返します。しかしブラッシュアップすればするほど、もっと遠くに100点があるような気がして、いつまでもこのままじゃ提出できないという気持ちになります。

 (P67)

 

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

 

 

 教案作り(だけではないですが)の効率化の方法については、もう一つあるので、それはまた日を改めて書きます。

 では、また。