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日本語教師3.0

「授業の質は上げる」「仕事の量は減らす」「両方」やらなくっちゃあならないってのが「教師」のつらいところだな 覚悟はいいか?オレはできてる

反転授業は無理でも・・・ 既習歴のある学生を退屈させないためにできること

 私には、参考にさせていただいている日本語教師のブログがいくつかあるんですが、そのうちの一つが、「ゆるゆる日本語教師 なにわ日記」です。特に最近、自分に関係のあるテーマが連続して投稿されているので、興味深く拝見しています。 

 

 昨日も、非常に興味深いテーマが投稿されていたので、自分でもちょっと書いてみようと思います。

 日本国内の日本語学校では反転授業が不可能な理由

 

 この記事の中で、akky先生は、日本国内の日本語学校では反転授業が無理な理由を解説されています。実は私も、以前反転授業を検討したもののあきらめたたことがあって(今の日本語学校ではありませんが)、akky先生の意見を見て、なるほどと思わされました。

 

 ちなみに、「反転授業」というのはこんなものです。

反転授業(はんてんじゅぎょう、英語: flip teaching (or flipped classroom))は、ブレンド型学習の形態のひとつで、生徒たちは新たな学習内容を、通常は自宅でビデオ授業を視聴して予習し、教室では講義は行わず、逆に従来であれば宿題とされていた課題について、教師が個々の生徒に合わせた指導を与えたり、生徒が他の生徒と協働しながら取り組む形態の授業である。

Wikipedia「反転授業」

 

それでも反転授業(みたいなもの)をやらざるを得ない理由

 私も、反転授業は無理だと思う反面、学校ではしばしば「今やっているのって、反転授業だよな」と思うことがよくあります。矛盾していますが。

 というのは、うちの学校が特殊なだけかもしれませんが、まじめな学生が多くて、教科書の内容をすでに独学しているので、授業では学生の知識の確認になることが多いからです。

 もちろん、授業で初めてその知識に触れる、という学生もいるので、授業は0からきちんとやります。

 それに、正式に反転授業をするとしても、予習してきなさいと言っても予習してこない学生がいるはずなので、反転授業をすることは今のところ考えていません。

 

 ただ、「クラスの中に、授業内容をすでに勉強している学生が相当数いるため、何も知らない学生相手に0から教えつつ、知っている学生は退屈させないようにしなければならない」という課題に日々取り組んでいます。

 

既習歴のある学生を退屈させないために

 最初のうちは、私もよく学生を退屈させていました。学生にもよりますが、すでに知っている知識を説明していると、あからさまに「もう知っているよ」という顔をします。放っておくと、授業を聞かないで内職を始めたりします。とはいえ、何も知らない学生のために、説明を省略することはできません。

試行錯誤を繰り返しているうちに、いくつか解決策を発見したので、ここに書いておきます。

  1. 学生に「吐かせる」
  2. 「教え合い」を増やす
  3. アクティビティを増やす

 1.学生に「吐かせる」

  以前読んだ本に、こんな内容がありました。

オトナ相手の教え方

オトナ相手の教え方

 

  一方的に説明して、ずっと吸わせているような状態は、特に大人相手に教える際には避けるべき行為です。大人は経験があり、自分なりの考えを持っているわけですから、それを尊重せず、こちらのやり方だけを一方的に「吸わせよう」とすると反発されるのです。大人ですから、それを表には出さないかもしれませんが、私たちの説明を聞きながら「そんなやり方より、自分が考えているやり方のほうがよい」「とりあえず、聞いているふりをしておこう」と聞き流されているかもしれません。

 そんな大人に納得して、説明を受け入れてもらえるように、本人なりの考えを言わせます(吐かせる)。その上で、私たちの説明を聞かせて、(吸わせて)、最後に理解度や本人のやり方を聞く(吐かせる)というのが、大人相手の説明には必要なのです。

(P85)

 

 これを読んでから、たとえどんなに新しい情報、難しい知識でも、一方的に教え始めるのではなく、まず「誰か知っていますか」と聞くようにしました

 

 そして、もし知っている学生がいたら、「すごい!よく勉強していますね」とほめてあげます。そうすることによって、既習歴のある学生の「一方的に知っている知識をまた教えられる」という不満を軽減することができます。また、学生が独学で誤った知識を覚えている場合も修正できます(実はこういうケースもけっこう多いです)。

 

 いわゆる未習語についての考え方も同じです。伝統的な教授法では、「教科書にある単語だけで教えましょう」と言われます。ただ、自分でいろいろ勉強している学生にとっては、「どうして勉強した知識を使わせてくれないんだ」ということになります。せっかくやる気がある学生なのに、そのやる気を削いでしまうことになるわけです。

 かといって、未習語や未習文法を野放しにしておくと、他の学生にとっては、「あの学生や先生は何をしゃべっているんだ?さっぱりわからない」ということになります。

 だから、私の場合は、「誰かが言った未習語はきちんと取り上げて、全員にシェアする」という風にしています。

 

 具体的には、「今○○さんがおもしろいことを言った」と言って、黒板に板書して、翻訳もつけます。こうすることによって、既習歴のある学生、ない学生の両方のニーズを満たすことができます。

 

 

 2.「教え合い」を増やす

  これも最近覚えたやり方です。

はじめてのアクティブ・ラーニング!  英語授業

はじめてのアクティブ・ラーニング! 英語授業

 

 

 Think-Pair-Share

 教師の発問に対して、まずは自分で考え(Think)、考えをペアで伝え合い(Pair)、最後にグループやクラスで考えを発表し合い(Share)、考えを深めていく手法です。

(P62) 

 既習歴がある学生が退屈するのって、結局「一方的に説明を聞かされる」からなんですよね。だったら、「教えられる側」から「教える側」に回ってもらえば、退屈することもなくなります

 そして、もう一つのメリットは、「他人に教えることによって、逆に自分の知識が整理される」ということです。

 「教え合い」を促進するために、ペアワークも増やしました。

 

3.アクティビティを増やす

  「アクティビティ」というのは、その日学んだ文法などを生かして行うゲームなどです。私が通っていた養成講座では「アクティビティ」と言っていましたが、「活動」と言う先生も多いようです。

クラス活動集101―『新日本語の基礎1』準拠 (しんにほんごのきそシリーズ)

クラス活動集101―『新日本語の基礎1』準拠 (しんにほんごのきそシリーズ)

 

  既習歴がある学生は、「頭では理解していても、実際に使ったことがない」状態のわけですから、ゲームやインタビューなどでどんどん新しい文型を練習させます

 そうすることで、一方では退屈を防ぐことができ、一方では文型の定着と、産出、運用を促すことができます

 

 具体的なアクティビティのやり方については、課によって全然違うので省略しますが、アクティビティを増やすようにしてから、クラスの雰囲気が劇的に改善されました。

 もちろん、雰囲気がよくなっても、それが成績に結びつかなくてはどうしようもないわけですが・・・。

 

 

 今書いたようなことは、ベテランの先生にとっては常識かもしれませんが、よかったら参考にしてください。

 

 では、また。